お正月に初詣に出掛けて「素敵な人に出会えますように」とお願いしてきた人も多いのではないでしょうか。有名な神社仏閣だけでなく、パワースポットと呼ばれる縁結びで有名な寺社へ行った人もいるかもしれません。
寺社でいただくものと言えば「お守り」。今では可愛らしいデザインのものもたくさんありますので持っている人も多いと思います。しかし、ありがたいお守りも粗末に扱っては神様に失礼ですし、何よりそのためにご縁を逃してしまったら大変です。
お守り(御守り・御守)とは?
普段何気なくいただいてくるお守りとはどういうものなのか考えたことはありますか?知っておいて損はないお守りの事についてちょっとお話しましょう。
お守りってどういうものなの?
人々を災難などから守り、福を招くお守り。日本だけでなく海外にも同様のものがあり、例えばチャームも英語でお守りを意味する単語です。
ところで、神社のお守りと寺院のお守りは何が違うかご存じですか?実は神社のお守りはそのひとつひとつに神様の御霊(みたま)が宿っています。一方寺院のお守りは読経(お経を読むこと)などによってお守りにお祈りを込めているものなのです。ですからいい加減に扱うのはとても失礼なことだと覚えておいてくださいね。ちなみに神様も仏様も心が広いですから、神社や寺院のお守りも含めてお守りを複数持っていても問題はないそうです。
お守りを「買う」は間違い
お話したようにお守りは御霊やお祈りが入っているものです。ご利益や厄除けなどの効果はお金で買えるものではないので「お守りを買う」という表現は正しくありません。お守りは「いただく」「授かる」などと言うのが適切です。実際、寺社のお守りをいただく場所には間違っても「売店」とは書いていません。多くは「授与所」などと書かれており、お守りをいただく時のお金はご利益をいただくためのお賽銭だと言えば分かりやすいかもしれませんね。お賽銭ももともとは神様や仏様にお米などを奉納することから始まっています。
江戸時代などの大名が「五千石(ごせんごく)の」「一万石(いちまんごく)の」などと呼ばれることが良くありますが、この石(こく)はお米の単位の事です(1石は約150㎏)。小判などの貨幣が使われるようになってからもお米の単位で裕福さを表していたというのはとても日本らしい表現ですよね。
授与所に「初穂料(はつほりょう)」と書かれているのは、収穫したお米(稲穂)をお供えしたことに由来していますが、今でも使われていることに歴史を感じます。
人からもらったお守りにも効果はあるの?
旅先でいただいたお守りをお土産としてもらうことも良くあります。自分で直接いただかなくてもお守りの効果ってあるのかな?と考える人もいるかもしれません。
最初にお話したように、お守りの効力は「お守りそのもの」に宿っていますから自分でいただいてきたものでなくても問題はありません。例えば家族や友人が「出雲大社」に行くと聞いて、お願いして代わりにいただいて来てもらってもOKなのです。
ただし、代わりにいただいて来てくれた人にもしっかりお礼をして、お守り自体も丁寧に扱い神様や仏様にちゃんと感謝を伝えてください。
お守りの効果を引き出す持ち方と手放し方
お守りはただ持っていれば願いが叶うというものでもありません。せっかくいただいたものならば、最大限に効果を発揮していただきたいと誰もが思うのではないでしょうか。
お守りは身に付けるのが効果的
お守りは身に付けて持ち歩くのが基本です。「肌守り」と言われるように、最も効果的なのは肌に触れる場所(例えば首から下げて服の下に入れる)ですが、カバンやポーチなど普段持ち歩くものに付けておけば十分です。もし縁結びのお守りをぶら下げておくのが恥ずかしいのであれば、カバンのポケットなどに入れておいてもいいでしょう。手帳型のスマホケースのポケットに入れるのもいいかもしれません。お守りにもいろいろな形があるので、身に着けやすさを基準に選ぶのもおすすめです。
女性はバッグを服に合わせて取り替えることも多いので自宅に置いておきたいという人もいるでしょう。その場合はできるだけ目について、目線より高いところに置くのがポイントです。埃がたまるからと引き出しなどに入れない方が効果的です。
お守りにも有効期限がある!
お守りは持っている人の災厄や悪い運気を代わりに引き受けてくれるものです。ですから許容量を超えてしまうとそれ以上は効果を発揮することはできません。効果は一般的に一年程度で、お守りをいただいたら一年後に新しいお守りと交換するのが望ましいと言われています。三が日には初詣に行く人が多いので、お守りを回収する箱などを用意しているのはそのためです。
願掛け(恋愛成就、結婚成就など)の場合は願い事が叶った時点でそのお守りは役目を果たしていますから、この時にお守りを手放すのが良いとされています。その後は「彼・彼女と上手くやって行けるように」というお守りをいただくのもいいでしょう。
お守りの中には思い出が詰まっているものもあります。そういうものは手元に置いておいても差し支えありません。例えば「御朱印」はお守りと同じ効果があっても一年で交換するものではないですよね。思い出深いものは大事に保管しておくようにしましょう。決して粗末に扱わないように気を付けてください。
お守りを手放す方法
お守りってどうやって処分したらいいんだろう?と思っている人も多いかもしれません。ここでは一般的なお守りの手放し方をご紹介しましょう。
お守りをいただいた寺社に返納する
三が日に毎年お参りするという場合は返納する箱などが用意されていますのでそちらに入れればOKです。基本的にはいただいた寺社にお返しするのが一般的ですが、他の寺社にいつお参りに行くか分からないという場合は一緒に返納してもいいかもしれません。ただし、神社と寺院のお守りをどちらかに一緒に返納するのは避けるようにしたいですね。
三が日以外では特に納札所(お守りや破魔矢などを返す場所)などが用意されていないことも多いです。その場合はその寺社に持参しお返ししましょう。寺社によっては他の寺社でいただいたものも一緒に引き受けてくれることもあります。事前にHPで調べたり、電話で確認したりしておくとスムーズです。
郵送で返納する
旅先でいただいたという場合など、気軽に行けない距離にある場合は郵送で返納が可能なこともあります。こちらもあらかじめ確認し、寺社の指示に従ってください。中には分社した神社やや宗派が同じ寺院で返納が可能な場合もあります。合わせて確認するといいでしょう。
どんど焼きに出す
お正月飾りを焚き上げる「どんど焼き」に出すのもひとつの方法です。地方によっては「左義長(さぎちょう)」など呼ばれ方は異なりますが、この「焚き上げる」という行為そのものは寺社で返納されたお守りを処分する際も同じです。お守りのお焚き上げはお守りに宿った御霊や祈りを神様や仏様のもとに返っていくために行われます。
縁結びで有名な東京の神社
最後に「縁結び」で有名な東京の神社をご紹介しましょう。初詣という言葉は三が日だけに使われると思っている人も多いようですが、その年に初めて寺社にお参りに行くのが初詣です。まだお参りに行っていないという人はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
東京大神宮
皇室のご先祖様の天照大御神(あまてらすおおみかみ)と豊受大神(とようけのおおかみ)を主祭神として祀っている東京大神宮。江戸時代に伊勢神宮(三重県)にお参りするのが難しかったことから、明治時代に明治天皇が決めて作られた神社です。明治33年に当時の皇太子(後の大正天皇)がここで結婚式を挙げ、その後一般の人々も結婚式を挙げることができるようになりました。現在の神前式の結婚式はこの東京大神宮の方式が一般的です。
パワースポットとしても非常に有名で、休日には行列ができるほどの人気があります。実際、都会のど真ん中にありながら非常にすがすがしい気持ちになれる都会のオアシス的な場所でもあります。
住所:東京都千代田区富士見2-4-1
最寄り駅:飯田橋(JR中央・総武線、東京メトロ有楽町線・南北線・東西線、都営地下鉄大江戸線)
※新型コロナのクラスター発生により2022/1/16までは参拝できません。
赤坂氷川神社
江戸幕府の8代将軍、徳川吉宗により1730年に現在の場所に造営された歴史のある神社です。社殿は当時のままの姿をそのままとどめており、東京都の有形文化財に指定されています。
毎月1回「縁結び参り(良縁祈願祭)」という神事を行っていることでも有名で、縁結びだけでなく家族や友人、仕事等との縁を結んでいます。神事の後に境内で育てられた藍染の「藍の種」が入ったお守りと、古事記にある八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したと言われる神話にちなんだ「四合御櫛(しあわせみくし)」をいただくことができます。
なお、この神事は予約制で毎月1日から公式サイトで受付を行っています(定員毎回30名)。
住所:東京都港区赤坂6-10-12
最寄り駅:赤坂駅(千代田線)、六本木駅(日比谷線・大江戸線)、六本木一丁目駅(大江戸線)、溜池山王駅(銀座線)
出雲大社東京分祠(いずもたいしゃとうきょうぶんし)
出雲大社東京分祠は縁結びの神様として最も有名な島根県の出雲大社の分祠(ぶんし)です。東京では出雲大社の御霊を祀る唯一の場所となっています。
実は出雲大社東京分祠では東京大神宮より2年早い明治31年に神前式の結婚式を執り行っていますが、出雲大社式はあまり一般的に広がらなかったと言われています。
現在の出雲大社東京分祠は昭和55年に鉄筋コンクリートで建てられたものなのであまり「神社らしい」雰囲気ではないかもしれませんが、そこはやはり歴史ある出雲大社の分祠ですので良いご縁を結んでいただけるのではないでしょうか。
住所:東京都港区六本木7丁目18-5
最寄り駅:六本木駅(東京メトロ日比谷線、都営地下鉄大江戸線)
まとめ
東京には縁結びで有名な寺社がたくさんあります。たくさんお参りすれば良縁に恵まれるというものではないかもしれませんが、神様や仏様の後押しがあれば婚活も頑張れそうな気がしますよね。
いただいたお守りは大切に扱い、よりよいご縁を引き寄せて欲しいと思います。
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