収入が高いイメージの医者ですが、実際どれくらい稼いでいるか、平均年収はいくらくらいなのか知っていますか?
高収入の医者と結婚したい女性のために、医者の手取り収入はどれくらいなのか、高額収入を得ている医者の条件はどんなものなのかについてご紹介します。
医者の収入はどのくらい?
高収入といわれている医者ですが、実際のところどのくらいの収入を得て、手取りはいくらぐらいになるのでしょうか。
日本の医者の年収
働いている地域や診療科によって異なりますが、医者の平均年収は約1,240万円となっています。男性医師がおよそ1,300万円、女性医師がおよそ1,081万円です。一般的に収入が高い大学教授や税理士、弁護士などの資格が必要な職業と比べても高い収入を誇っています。なお、歯科医師の平均年収は約856.9万円となっています。
医者は一度資格を取得すれば一生涯働ける仕事です。また、常に社会で必要とされる需要の高い職業なので、安定して高年収が狙える魅力的な職業といえるでしょう。
医者の手取り年収はどれくらい?
年収が1,500万円で、専業主婦の妻と子どもが2人いる勤務医の場合を考えてみましょう。健康保険・厚生年金などの社会保険料で年間約145万円程度、所得税と住民税で約275万円引かれます。 合計で420万円程年収から引かれてしまうのです。計算すると、手取り額は約1,080万円程度になります。つまり、年収の約30%差し引かれた額が医者の手取りとなるのです。役職などが上がれば、収入も上がっていくので、手取り額も増えることになります。(2018年現在での試算)
医者の立場によって異なる年収額
医者には勤務医・開業医・研修医があり、その立場や働き方によって収入が異なります。それぞれにメリット・デメリットがあり、働き方も異なります。それぞれどれくらい稼いでいるのか、どのような働き方をしているかなどを紹介しましょう。
勤務医の年収額
勤務医とは、その名の通り病院に勤務する医者のことをいいます。勤務する病院は民間の病院、大学病院の医局、クリニックの他、国立病院などいくつか種類があります。
どこに勤務するかによって年収は異なりますが、民間病院の医師の平均年収は800~1,200万円です。もっとも高いのが民間病院で、病院長になると2,000万円を超えるともいわれています。
大学病院には講師や教授として勤める勤務医もいて、講師の平均年収は700万円台、助教授は800万円台、教授が1,000万円台となっています。国立病院は厚生労働省が直接運営しており、税金で運営されているため年収としては大学病院よりも低くなっています。ただし、国立病院は主に医療研究を行う機関であり、ネームバリューは最も高いといえるでしょう。
余談になりますが、離島やへき地など医者が慢性的に不足している地域では、医者に来てもらうために年収を高く設定する傾向があります。そのため平均年収は約2,000万円ともいわれ、場合によっては勤務医の中でも最も年収が高いかもしれません。
開業医の年収額
自分でクリニックを開いて経営する医者を開業医といいます。開業医は、1,000~1,500万円の収入を得ている人が多いです。開業医の2割が、3,000万円以上の収入を得ているというデータもあります。医者の中でも、開業医は高い収入を得られる業務形態です。
研修医の年収額
医師免許を手にすれば医者といえますが、その後に大学病院や研修可能な民間病院で一定の研修を受けなければならないと決められています。この研修中の医者が研修医です。勤務医も開業医も、ここからキャリアをスタートさせます。
研修医は初期研修医(2年間)と後期研修医(3~5年)に分かれています。初期研修医1年次なら、大学病院の場合はおよそ300万円、民間病院の場合はおよそ450万円。初期研修医2年次では、大学病院はおよそ310万円、民間病院ならおよそ500万円となります。
ただし、後期研修医は場合によってアルバイト(他の病院での非常勤など)が認められることがあり、このバイト代の方が本給より高額になることもあるようです。
年齢別にみる医者の年収額
勤務医の男性医師を例に挙げて、医者の年齢別の収入推移を見てみましょう。 年齢別の収入推移は、30~34歳で683万円、40~44歳で1,228万円、50~54歳で1,652万円、60~64歳で2,090万円です。実際の医師の年収は勤務先で得ている給与の他、アルバイトをたくさん掛け持ちしている場合などは相当額がプラスされます。そのため、実際にはもっと高年収を得ている医師も多いです。
診療科別の医者の年収ランキング
一口に医者といっても、整形外科や産婦人科など、担当する診療科は多岐に渡ります。それぞれ収入が違うので、診療科についても考える必要があるでしょう。より高収入の医者と結婚したい女性のために、診療科別の医者の年収をランキング形式で紹介します。
【1位】美容外科
最も収入の高い診療科は、「美容外科」で、1,829万円となっています。自由診療の分野なので、収入が高くなる傾向にあります。また、自由診療分野で働く医者は、通常の臨床研修では習得することのできないスキルを身に着けなければなりません。その技術力も、高い収入を得られる理由の1つといえます。
【2位】美容皮膚科
2位は「美容皮膚科」で、年収1,739万円です。美容系の診療科は、高収入を得られる割合が高いといっていいでしょう。美容外科と同様に、自由診療の割合が高いので、高収入が期待できます。また、「患者としてではなくお客様として」という意識のもとでサービスを行う場面が多いので、収入だけでなく高いコミュニケーション能力が必要とされることも多いです。
【3位】産婦人科
3位は「産婦人科」で、1,608万円です。産婦人科の収入が高い理由として、開業医であるから、ということが挙げられます。産婦人科医はクリニックを自分で経営する人が多いので、収入が自然と高くなるようです。ただ、産婦人科はなり手が少ないという傾向があり、患者の中には女医を希望する人も多い科といえます。
【4位】心臓血管外科
4位は、「心臓血管外科」で、年収1,580万円です。心臓血管外科は、主に心臓または血管の病気の治療を行う、専門性の高い診療科です。高い技術力が必要になるので、その分収入が高くなっています。また、希少な診療科であることも収入が高い理由の1つです。
【5位】整形外科
5位は「整形外科」で、年収1,566万円です。産婦人科医と同じく、開業してクリニックで勤務する医者が多いことが、収入が高い理由です。また、少子高齢化が進み、整形外科の需要が高まっていることも大きな理由の1つといえるでしょう。
【6位】耳鼻咽喉科
6位は「耳鼻咽喉科」で、年収1,551万円です。産婦人科医や整形外科と同じように、開業医が多いことが理由となっています。また、耳鼻咽喉科は自由診療で経営しているクリニックもあり、それが平均収入を上げている理由となっています。
【7位】形成外科
7位は「形成外科」で、年収1,548万円です。心臓血管外科と同じく、専門性の高い分野であるため、高い年収が期待できます。また、形成外科は、軽いけがやがんの治療、美容医療など対応できる病気が多く、需要が高いことも収入が高い理由です。
【8位】人工透析科
8位は「人工透析科」で、年収1,538万円です。少子高齢化や糖尿病・腎不全患者の増加による影響から需要が高まっていることが理由の1つです。また、治療が長期間に渡ることから、診療報酬を安定して得られることも理由として挙げられます。
【9位】一般外科
9位は「一般外科」で、年収1,537万円です。治療領域が消化器や乳腺など待機的手術が必要なものであり、外傷や急性腹症など、緊急の疾患を担当する診療科です。そのため、一般外科医は8割近くが勤務医となっています。8位以上の診療科に比べ収入は高くありませんが、40代以降になると収入が上がってきます。
【10位】皮膚科
10位は「皮膚科」で、年収1,517万円です。基本的には外来患者を診察し、症状に合わせて飲み薬や塗り薬を処方することで診療は終了します。クリニックを経営していても、手術が必要な場合は大学病院などに対応してもらうことが多いです。そのため、年収はあまり高いとは言えません。
高額報酬を得ている医者の条件とは?
平均して収入が高い医者ですが、その中でも特に高額報酬を得ている医者にはいくつか特徴があります。経営状況にもよりますが、今から紹介する4つの条件のいずれかに当てはまれば、より高い収入を得ている医者の可能性が高いです。
【条件1】開業医である
条件のひとつが開業医であるということです。政府の発表によると、開業医の平均年収は2,400万円程度だといわれています。そのため、勤務医よりも収入の水準が高いです。ただし、開業時には多額の借金をする必要があり、経営がうまくいっていない場合は、勤務医よりも収入が低い可能性があります。
【条件2】出世している
勤務医であっても、出世して部長や医局長クラスになれば、高い年収が期待できます。民間病院の院長クラスになると、年収が3,000万を超える場合もあります。開業医でなくても、高い収入を得ている医者はいるのです。
【条件3】公務員待遇がある
国立病院の医師は基本的に「みなし公務員(一部国家公務員)」です。公立病院や公的病院は地方公務員となっています。みなし公務員でも公務員と同じ待遇を受けることができます。
ただし、公的な病院では赤字の診療科を続けなければならないといった事情があることも多く、非常に高額な収入を得ている場合とそうでない場合の差が激しいともいえるでしょう。
【条件4】自由診療の割合が多い
美容外科・美容皮膚科のように、自由診療の割合が多い診療科の医者は収入が高くなる傾向にあります。自由診療を行っている医者は高いスキルと知識をもっている可能性が高いので、それに合わせて収入が高くなります。
まとめ
年収の高さで結婚相手を選ぶなら、ランキングが高い美容外科・美容皮膚科がよいでしょう。自由診療を行っている医者は、高いコミュニケーション能力を持っている可能性が高いため、そういった部分でも結婚相手として魅力的だといえます。また、それに加えて開業医か、病院の経営者であればさらに高収入を期待できます。