結婚相談所には多くの「結婚したい男女」が在籍しています。希望の条件を出して素敵な相手との出会いを探していますが、「結婚したい理由」というのは人それぞれではないでしょうか。
何となく結婚したいから婚活をしている人もいると思います。しかし実は「結婚したい理由」は明確な方がいいともいわれているのをご存じでしょうか。
今回は男女それぞれの婚活理由と、結婚したい理由があった方がいいのはなぜなのかについてお話しましょう。
男女に共通の「結婚したい理由」
まず、最初に男女に共通する代表的な理由をご紹介します。
好きな人とずっと一緒にいたいから
縁あって出会い、お互いに気持ちが通じた相手とこれからもずっと一緒に暮らしたい。これは多くの人が納得できる理由でしょう。2人で協力して温かい家庭を築けたなら、これ以上の幸せはない!という考えに反対する人はいないはずです。またコロナの流行という特別な状況下で「何気ない毎日が送れることが幸せだと感じるようになった」という人も少なくなく、一緒にいるだけで幸せだと思える相手に出会いたいと婚活を始めた人も多いのではないでしょうか。
また現在は、男性だけが「女性を幸せにする」と考える訳ではありません。男性の後ろを歩くのではなく、並んで手を取り合って「一緒に幸せになろうね!」と思っている女性も多いと思います。これからの人生を共に歩むパートナーを探したいという気持ちは男女共に持っているものなのです。
不安な時に支えあえるパートナーが欲しいから
不安な時に、誰かがそばにいてくれたら・・・と考える人は少なくありません。病気になった時などはもちろんですが、コロナの流行などで社会全体が不安になっている場合にも、信頼できる人がいれば乗り切れると考える人は多いはずです。
またコロナ禍では「一人でいることの心細さ」を感じた人も多かったのではないでしょうか。将来、誰にも知られないまま孤独死するかもしれない・・・と真面目に考えた人もかなり居たようですね。
人は独りでは生きて行けない、と痛感させられる出来事だったことは間違いないでしょう。
また、同時に地震への不安も日本にいると痛感させられます。大きな地震を感じたとき、パートナーがいてくれたらいったいどれほど心強いでしょうか。こうした緊急時も含めて、生活の中で不安に感じる時があるのでパートナーを求めているという方はいらっしゃいます。
子供がほしいから
子供が欲しいというのも、男女に共通する「結婚したい理由」の1つです。愛(いつく)しみあって生まれてくる子供を「愛の結晶」という事がありますが、まさに2人が育む愛の象徴とも言えるのではないでしょうか。
「この人の子供が欲しいと感じたから」という意見の他に、「子供が好きだから」「親になって子育てをしたいから」というものもあります。また「自分の遺伝子を残したいから」という人もいるでしょう。相手は誰でもいいわけではもちろんありません。しかし、まず「子供が欲しい」というところから結婚を考えるのが日本的とも言えるのではないでしょうか。日本政府が婚活事業に力を入れるようになったのも、そういう考え方が強いことが理由です。結婚しても「子供は欲しくない」という人が増えていることを考えると、こういう理由で結婚を考える人は貴重な存在になってくるかもしれませんね。
親がうるさいから
上記2つを「積極的理由」とするなら、こちらは「消極的理由」といえます。休みの日に電話がかかって来たり、帰省したらお見合い写真を渡されたり小言をよく聞かされ辟易としている・・・という経験のある人もいるのではないでしょうか。また外的要因によるものとしては「まわりが結婚し始めたから」「友人がみんな結婚してしまった」というものや、「世間体が気になる」「周囲からどう見られているか不安」というものもあります。
ただし、消極的な理由から婚活を始めたからといっていいご縁がないわけではありません。中には自分でもどうにかしなければいけないかな・・・と感じている人も少なからずいることでしょう。どういう理由であれ動いた結果、素敵な相手と巡り合えたのなら結果オーライです。
女性特有の「結婚したい理由」
ここでは「女性ならでは」の理由を考えてみましょう。男性とは少し考え方が違うことを理解しておくことも大切だと思います。
経済的支えが欲しいから
男性と同じだけ稼いでいる女性がいる一方で、全体から見れば女性の方が賃金は低いことが多いのが日本の特徴です。女性は事務職に付いている場合が多く、役職に就く人も少ないのが現状です。もちろん役職が付くことで責任が重くなるのを嫌う人は少なくありませんが、企業が男性中心に回っているのもまた事実であり、役職に就いて孤軍奮闘することに引け目を感じる人がいてもおかしくはありません。また派遣で働く人も女性の方が多く、たとえ派遣会社の正社員であっても経済的に不安があることも多いです。
結婚後に働くとしても「大黒柱」にいて欲しいと思う人はいるでしょう。共働きであってもより経済的にゆとりと余裕のある生活を求める方も多いです。若い女性の中には専業主婦になりたいと思っている人も増えています。また、女性が男性の経済力を重視するのはこういう点も大きいと考えられます。
一生独身でいるのは嫌だから
現状に満足していても、「売れ残った」と周りに思われるのは嫌だと考える女性はいるようです。口では「仕事が恋人よ」と言っていながらも、できれば結婚したいと考えているのではないでしょうか。
このように考えるのは、高学歴で自立できるだけの経済力を持つ女性に多く、プライドも高いと考えられます。ですがこのまま独身で過ごし続ける事に対しては危機感もあることから、婚活をはじめてみる方がいらっしゃいます。
結婚に憧れている
恋に恋する、ではありませんが、結婚そのものに憧れている女性もいます。きれいなウェディングドレスを着て、多くの人に祝福される花嫁になりたいとか、甘い新婚生活を送りたいなど、結婚というものを「幸福のイメージ」としてとらえている可能性が高いでしょう。また、結婚が決まり、婚約指輪をして「幸せアピール」をしたいという女性もいるようです。
さすがにある程度の年齢になれば「脳内お花畑状態」という事はないと思いますが、結婚に対して過剰な期待をしている人がいることも注意しておきたいところです。
男性特有の「結婚したい理由」
ここでは「男性ならでは」の理由を考えてみます。男性もある意味、社会のしがらみにとらわれているところがあると言えるでしょう。
社会的な信用が得られるから
「結婚して一人前」という考え方は、まだまだ世の中に残っているようです。いい会社に勤めて収入が高くなっても、独身よりも家庭を持っている男性の方が「社会的な信用」を得やすいと言えるでしょう。
公務員のように「結婚するのが当たり前」という考え方が一般的な場合も少なくありません。実力主義で仕事ができれば問題なしというグローバルな観点を持つ職場ばかりではないこともまだまだ多いのが今の日本の現状です。
親の介護が不安だから
男性の中には「親は長男が見るもの」という考え方を持っている人はまだまだ存在します。結婚する時は同居など考えていなくても、親が年老いてくると不安を感じる男性は少なくありません。自分にその気がなくても、親から「同居したい」と言われると考えてしまうこともあるでしょう。
また、男性自体の年齢が上がるとその時点で介護が始まっている場合も無いとは言えません。男性は悩みや問題を一人で抱え込んでしまうことも少なくないため、共に親身になって考えてくれるパートナーを求めることもあります。
なぜ結婚に「理由」が必要なのか
いろいろと「結婚したい理由」についてお話してきましたが、最初に「結婚したい理由」は大切と書きました。その訳について説明したいと思います。
将来問題が起きた時に心の支えになる
どれだけ価値観が近くても、別々の人間である以上、価値観や考え方の違いで喧嘩になることもあるでしょう。しかし、結婚してしまえば簡単に別れるという訳には行かなくなります。喧嘩が長引いたり、原因が深刻なことであったりすると、関係を修復することが難しくなってしまうかもしれません。
しかし、結婚する時にその相手と結婚する理由がはっきりしていたならば、「あの時、こう思って結婚したんだ」と思い返して冷静な気持ちを取り戻すことができる可能性が高くなります。一方が落ち着いて「自分はこう思ってあなたと結婚したから冷静に、一緒に考えて行きましょう」と提案すれば、相手も「!」と感じるのではないでしょうか。
共に暮らせば喧嘩だってよく発生することでしょう。しかし、雨降って地固まるというように、ひとつひとつをきちんと解決していく事で夫婦の絆はより強いものになって行くはずです。
相手のいいところを見つけよう
結婚の理由は明確な方がいい、とはいえ「美人が良かった」「お金持ちだったから」というような理由では心の支えには少し弱いですね。年齢を重ねても美しい女性は多いですが、男性の考える「美」は若さと結びついていることも多いものです。また収入面でも社会状況の変化などで年収が減ることもありますから、できれば「この人とならやっていける」と思うような、内面的な良さを探すことが大切ではないでしょうか。
婚活ではどうしても条件面で相手を選びがちですが、その後の人生を共に過ごしていくためには「この人の芯の強い優しさが良かった」「真面目で誠実なところに惹かれた」などといった内面的な魅力を見つける努力をすることも考えましょう。短い時間では難しいと思われるかもしれませんが、人柄は言動に表れるものです。お見合いやデートの何気ない会話や行動をよく観察するように心掛けましょう。
まとめ
ひとりひとりの希望以外にも、男女によっても結婚したい理由は異なるようです。これが既に何年も付き合っているカップルであればまた違った理由も出てくることでしょう。
婚活という短い時間の中でできるだけいい人を見つけたいというのは誰もが考えることです。しかし、たとえ10年付き合ったカップルであっても、結婚生活では「交際では分からなかった部分」が出てきてもおかしくありません。所詮は他人・・・と言ってしまうと寂しいですが、それは間違いのない事実です。
山あり谷ありの人生を共に歩むパートナーと「いかに支えあってうまくやって行けるか」という部分が大切なのが結婚です。そのためにもぜひ「なぜ結婚したいのか」という理由をよく考えて、婚活を頑張っていただきたいと思います。
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