「結婚相談所に入会したのに、会いたい人と会えない」
「申し込みをしてもお見合いが成立しない」
こういった相談や苦情が来ることは珍しくありません。
しかし、お見合いはお互いの合意がなければ成立しないものです。
今回は、結婚相談所で会いたいと思う人とお見合いが成立しない理由と、実際にお見合いがどの程度の割合で成立しているのかをお話しします。
結婚相談所でのお見合い基礎知識
まず、結婚相談所でお見合いが成立する確率について考えていきましょう。
お見合いはどのくらい成立しているの?
お見合いは自分が申し込みして成立する場合(申込)と、申し込まれて成立する場合(申受)の2種類があります。結婚相談所ネットワークの日本結婚相談所連盟(IBJ)が発表した『結婚白書2022』によると、成婚者が2種類の方法を足してお見合いが成立する割合は、平均で男性が7.7%、女性が7.8%でした。年齢によって多少上下するものの、1割に届かないというのが現実なのです。
では具体的な数字を見てみましょう。下の表は『結婚白書2022』からお見合いの成立割合を求めたものです。平均値より高い割合を示した年代は薄い黄色の部分です。女性の確率が最も高いのは55~59歳ですが、これは同年代(もしくはそれ以降)の申し込み回数が非常に多いことからお見合いが成立しやすいのではないでしょうか。
お見合いが成立しやすい人ってどんな人?
上の表から見ても分かるように、お見合いが成立しやすいのは年齢でいうと男女ともに25~34歳と言うことになります。また、お見合いの申し込みが多いのは、男性なら「高収入・高学歴・高ステータス」、女性なら「若くて美人・可愛い」といった人です。
しかし、全ての人が同じ考え方をしているわけではありません。「美人かどうかよりも知的な話ができる人がいい」とか、「高収入でなくても二人で働きながら家事や育児を分担できる人を選びたい」といった考え方も当然あります。このような場合は自分の考えに近そうな人を探した方がお見合いも組みやすくなります。
お見合いが成立しないのはなぜ?
最初にお話ししたように、お見合いはお互いがOKを出さない限り成立しません。相手の好みに自分が合わなければ、どれだけ申し込みを重ねても、お見合いができる可能性は高くはならないのではないでしょうか。
最大の原因はミスマッチ
結婚相談所をはじめとする婚活では、理想の相手を探すためにいくつかの条件を付けることが一般的です。年齢・職業・容姿・収入など付ける条件は人それぞれですが、条件がないという人はいないでしょう。しかし、それは相手も同じ。相手も自分の条件をもとに未来の伴侶を探しているのです。
例えば、プロフィールに「結婚後は家庭と子供を守っていきたい」と書いてあれば、この人は専業主婦希望なのかな?と思いますよね。であれば、結婚後も働き続けて欲しいと思っている男性は申し込みを受けた時点でお断りをするでしょう。またいくら可愛くて好みでも、アウトドア好きな女性にインドア派の男性が申し込みをしても受けてもらえない可能性が高いです。
このミスマッチを防ぐには、まず相手のプロフィールをよく読んで相手が求めている人物像を思い描いてみましょう。自分がその像からかけ離れている場合は、申し込みをしても受けてもらえる可能性は低いと考えたほうがよさそうです。高望みもミスマッチにつながる大きな要因なので、自分の市場価値を正しく認識することが大切です。
自分はモテるという思い込み
「今までモテモテで、彼氏・彼女が途切れたことがほとんどない」という人はちょっと注意が必要です。なぜなら、「恋愛と結婚は別物」だからです。
連れて歩くなら誰だって見栄えが良い方がいいに決まっていますよね?自分はこんな素敵な人と付き合えるほど価値がある人間なんだと思っているかもしれませんが、実際に生活するのであれば「真面目で堅実な人」や「自分に寄り添ってくれる人」など求めるものが変わってくるのが普通でしょう。
また、アラサーやアラフォーの人でも「今までモテてきたのだから、今でもモテて当然」だと思っている人は少なからずいます。しかし、お見合いの成立率でも分かるように、結婚では相手の若さを求める傾向が非常に強いので、年を重ねれば自分を求める人が減ってくると考えておくべきです。
プロフィールがきちんと書かれていない・細かすぎる
プロフィールがきちんと書かれていない場合、その人を判断する材料が足りずに困ってしまうことがあります。結婚相談所のプロフィールは就職活動の履歴書やエントリーシートと同じです。いい加減な書き方をすれば「この人はやる気がない」と判断されても仕方ありません。
反対に、びっしりと文字が書かれたものも良い印象を持たれないものです。あまりに条件が多くなると「自己主張が激しすぎる」と敬遠されますし、文章がまとまっていないのであれば「きちんと筋立てて話ができないのではないか」と疑われる可能性もあります。
また誤字脱字・「てにをは(助詞)」の使い方がおかしい・ら抜き言葉なども、相手に寄っては常識がないと思われるかもしれません。硬すぎる文章は避けた方がいいですが、社会人としてきちんとした印象を持ってもらえるように心がけてください。
自分のプロフィールを客観的に考えてみよう
希望した人とお見合いができないという人は、まず自分が記載したプロフィールをもう一度読み返してみてください。自分がターゲットとしている異性が、「そのプロフィールを見てどう感じるか」という点を中心にじっくり考えてみましょう。
自分では何が悪いのかさっぱりわからないという場合は、申し込むかどうかは関係なく、ターゲットになりそうな男性のプロフィールを並べてみてください。その異性に共通している部分を探してみると、ターゲットとなる人が求める異性像が見えてきます。年齢・職業・結婚観・趣味・相手に求める条件など、その人たちが考えていることを推測してみることで、自分とのお見合いが組めるかどうかわかってくるのではないでしょうか。
自分の何が外れているのかが見えてくれば、プロフィールのどういった部分を改善すればお見合いが成立しやすくなるか考える材料を発見することができます。
なお、これはお見合いだけでなく、マッチングアプリなどでも使える方法ですので覚えておくといいでしょう。
お見合い成立を目指すには
では実際にお見合いの成立数を増やすにはどのようなことをすればいいでしょうか。ここではすぐにできることをお話しします。
申込数を増やす
まず、申し込みをする数を増やしましょう。もちろん、誰にでも申し込めばいいというものではありませんが、このあたりなら許容範囲だと考える人に申し込み数を増やしてみるのがおすすめです。
特に女性の場合、最初の表からも分かるとおり、申し込みをするより受ける側になっています。確かにお見合いが成立する割合は他と比べて高いものの、25~29歳でも8.2%。表の最後に「人数※」とあるのは、申込と申受の合計人数がこの数になったら1回のお見合いが成立するという目安です。つまり、8.2%でも12回に1回しかお見合いは成立しないということになります。
相手からの申し込みは自分ではどうすることもできないので、まずは積極的に申し込みをすることが大切です。
申し込みが来たら前向きに検討する
自分にお見合いの申し込みが来た時は、極端に条件から外れていないのであれば受けてみるようにすることも大切です。特に年収や年齢などについては、「少しの差は誤差の範囲」くらいの柔軟性があるとぐっとお見合いが組みやすくなります。
「自分の条件から少しでも外れたら無理」という考え方だと、年齢が上がるほどお見合いの成立は難しくなります。1回のお見合いのために申込と申受の人数が上がっていくからです。
お見合いは出会いの第一歩なので、お付き合いをするかどうかは後で決めても問題ありません。
条件を付けすぎない
最初の段階では、「この条件だけは外せない」というもの以外は緩めにとらえておく方がいいでしょう。条件を付けすぎてしまうと、該当する人の数が少なくなってしまうからです。極端な言い方をすれば、条件がひとつなら該当する人は増えるということですね(さすがにそれは暴論ですが…)。
例えば、「美人で家事を全部引き受けてくれて、でも仕事は止めずにきちんと働いてくれる20代の女性」とか、「イケメンで一流企業勤務、年収は2,000万円以上で専業主婦をさせてくれて、記念日はしっかり一緒にお祝いしてくれる35歳までの男性」などは、そもそも世の中にどれくらいいるでしょうか?
自分から会える人の数を減らしてしまっては何にもなりません。
自分の考え方などを理解してくれそうな人にターゲットを絞る
最初に少し触れましたが、見た目や若さ、年収だけで結婚相手を選ぶ人ばかりではありません。そこで、「自分のいいところはこういう部分で、こういう考え方を持っています」ということをきっちりとプロフィールに記載し、共感してくれそうな人に絞って申し込みをかけてみるのもひとつの方法です。多少分析力や文章力が必要になるかもしれませんが、そこは結婚相談所のアドバイザーや友人などにも協力してもらいましょう。
時間には限りがありますので、違った視点から相手を選ぶことも戦略のひとつとして考えておくといいのではないでしょうか。
まとめ
結婚相談所のお見合い成立率は決して高くはありません。また、なかなか気に入った人とのお見合いが組めないという相談が多いのも事実です。
しかし、それを全て「相手が悪い」「結婚相談所がきちんとやってくれない」というのは少し違うのではないかと考えています。自己弁護と捉えられてしまうかもしれませんが、誰かに人気が集中してしまうと、選ぶのはその誰かになります。全部気に入らないので別の人を紹介してくださいと言われない限り、相談所としては何もできません。
だからこそ、他の人とは異なる視点でのアプローチや、内面を重視したお相手探しが大切になってくるのです。
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