「結婚相談所で婚活をしているけれど、いい人を紹介してもらえない」。そんな経験はありませんか?結婚相談所の費用はピンからキリまで様々ですが、途中で解約した場合に払ったお金がどうなるのかは気になるところですよね。
今回は、結婚相談所を途中で解約する場合の注意点や、トラブルに巻き込まれないために知っておきたい事についてご説明します。
結婚相談所に関する相談・苦情
独立行政法人 国民生活センターや、地方公共団体が設置している消費生活センターには毎年、多くの相談や苦情が寄せられています。ここではその現状をご紹介しましょう。
相談件数は毎年1,500件以上!
国民生活センターに寄せられる「結婚相手紹介サービス」の相談件数は、減ってきているものの、それでも2019年までの相談件数は1,500件を超えています。なお、結婚相手紹介サービスには婚活アプリやパーティーなども含まれています。
※独立行政法人 国民生活センターのHPより引用
PIO-NETとは、国民生活センターとネットワークで全国の消費生活センターに繋がっており、各消費生活センターに寄せられる苦情相談情報を収集・整理するシステムです。上の表にある数字は直接国民生活センターが受けたもので、消費生活センターからの情報は含まれていません。そのため、実際の数はもっと多くなる可能性があります。
ただし、2020年のデータを見る限りでは、最終的には1,500件を割るかもしれません。行政などの指導や法律によって、いい加減な業者は淘汰されてきた結果であるとも考えられます。
なぜトラブルが起きてしまうのか
国民生活センターに寄せられる結婚相手紹介サービスに関する相談・苦情で多いものは「解約」「返金」「勧誘方法」に関するものです。
結婚相談所に関しては、一般的に1年間の契約となっています。結婚相談所によって名前は異なりますが、入会金(初期費用、登録料、サポート費用など)といった費用は1年分の活動費として徴収されています。多くの結婚相談所が「一年以内の成婚を目指します」と謳っているのはそういう理由があるからです。
しかし、半年後に成婚した場合など、途中で解約をすることは珍しくありません。その時、お金が戻ってこなかったり、戻ってきても想像よりずっと少なかったりといった事に疑問を感じて生活センターに相談する人が多いようです。
つまり「解約」と「返金」はセットであることが多いといえるでしょう。
結婚相談所の途中解約
結婚相談所を途中解約する理由とはどんなものでしょうか。また、途中解約をする前に注意したいことについてお話していきます。
途中解約をする理由とは
前項でお話したように、1年以内に結婚が決まり、婚活の必要がなくなれば当然退会しますよね?退会=解約ですので、この場合も途中解約となります。
それ以外にも途中解約の理由はいくつか考えられます。
- 金銭的・時間的な理由で婚活ができなくなった
- 他の結婚相談所や婚活アプリ、パーティーなどで出会った人と交際・結婚することになった
- 希望する相手を紹介してもらえなかった(これからも紹介してもらえなさそうだから)
- 結婚相談所やカウンセラーが信用できない、相性が悪かった
- 入会前に聞いていたサービス内容と実態が異なっていた
- 知らないうちに成婚扱いになっていた
どれも良くありそうな内容ですので、現在結婚相談所を利用している人も、これから利用を考えている人も、こういった理由で途中解約する可能性があることを考えておくことが大切です。
知らないうちに成婚扱い???
一般的に「成婚時」と聞くと、結婚が決まった時だと考える人が多いと思います。しかし何をもって成婚とするかは、その相談所によって異なるのが現実です。
結婚相談所での交際期間は3ヵ月と言われており、お見合い相手と交際をして3ヶ月たった時点で「成婚」と認定される場合も少なくありません。もし3ヵ月では決められないという場合にはカウンセラーなどに必ず相談するようにしてください。また、婚約時というところもありますが、真剣に交際が始まった時点や、婚前交渉を持った時点で成婚とすることもありますので契約する際には確認が必要です。
なお、婚約後や成婚と判断されて途中解約した後に破談になってしまっても、結婚相談所には責任はありませんので賠償請求などはできません。また、新たにその結婚相談所に入会する場合は「新規入会」となりますので、もう一度入会金などを支払う必要があります。
途中解約をするときは文書を再度確認しよう
その結婚相談所で成婚した場合には、途中解約の手続きまで担当者が責任をもって行ってくれると考えていいでしょう。
一方、それ以外の理由で退会する場合、特に会員側が結婚相談所側に問題があると考えている時にはトラブルになる可能性が高くなります。
きちんとした結婚相談所の場合、入会の際に途中解約を行う場合の手続きや返金に関しての説明があり、パンフレットや契約書などに記載があるはずですので、まずはそういった文書を良く確認してください。その結婚相談所で成婚した場合にも、念のため確認した方がいいでしょう。基本的に、契約時に説明された方法で途中解約(退会)の手続きが行われます。返金がある場合も契約書の内容に沿って計算された金額が戻ってきます。
もし、入会時に説明がなく、文書やパンフレットなどにも記載がない場合、不信感が強くなって冷静な判断ができなくなってしまうことがありますので、まずは落ち着いて対策を考えるようにしてください。
途中解約で起こりやすいトラブルとは
国民生活センターに寄せられる2大トラブル「途中解約」と「金銭に関するもの」。具体的にどのような事例があるのかご紹介しましょう。
途中解約ができない
一般的には会員が解約を申し出たら、淡々と手続きが取られて退会となります。結婚相談所によって返金がある場合や、違約金などが発生する場合がありますが、手続き自体はスムーズに行われます。しかし、カウンセラーと合わない、希望の相手を紹介してもらえないといった理由の場合には「もう少し考えてみませんか」などと言われて引き止められることも少なくないと言われています。国民生活センターの最近の事例には「結婚相談所に登録しているが、担当者の対応に不満がある。退会を申し出ているが事業者と連絡がつかず、手続きが進まない。」(国民生活センターのHPより引用)といったケースもあるようです。
通常は窓口に出向いて解約する旨を告げるだけで問題ありませんが、相手が信用できない、引き止められそうで行きたくないという場合には「内容証明郵便」を利用するのが有効です。内容証明郵便は一般書留で送られるため、相手に届かないという事がありません。また、自分と郵便局が送付する文書の控えを持つことができるので、相手が内容を改ざんすることもできない仕組みになっています。
- 内容証明郵便の書き方と出し方:郵便局の「内容証明」のサイト
返金や違約金などの金額
やはりお金の問題が一番多いようです。途中解約でお金が戻るのか、違約金などが発生するのかなどは、契約する時に説明される(もしくは書類を渡される)と思いますが、その時になってみないと分からない場合も多いと考えられます。
途中解約の返金の有無や、費用が発生するかどうかは結婚相談所ごとに違いがあり、A相談所では返金されたからといって、B相談所でも同じとは限らないのです。
トラブルになる前に知っておきたい「特定商取引法」
以前は「結婚相手紹介サービス」に関する苦情が非常に多く、消費者保護の観点から平成16年に特定商取引法の対象となりました。その結果、エステティックサロンや語学教室と同じようにクーリングオフなどが行えるようになったのです。ここでは、その内容についてご説明します。
特定商取引法(クーリングオフ)
結婚相談所などの「結婚相手紹介サービス」も、特定商取引法の対象となったことから、入会の際にクーリングオフや途中解約の際の返金の計算方法について説明することが義務化されました。一般社団法人 日本結婚相談協会(JBA)に加入している結婚相談所では、基本的に上記の説明を行うように指導されています。
なお、この法律は①契約期間が2ヵ月以上あり、②支払う金額(入会金や月会費など)が5万円を超えるものであることが条件となっていますので、1ヵ月単位で入会するアプリや、契約が3ヵ月あっても入会金や月会費が併せて5万円以内の契約では適用されないため注意が必要です。
特定商取引法の内容
特定商取引法で決められている内容について細かく説明していきましょう。今回は上記の2つの条件(①②)が満たされていることを前提にお話していきます。
①入会手続きから8日間の間に解約した場合は全額返金される
仮に8日間の間に結婚相談所から紹介を受けていても、支払ったお金はすべて戻ってきます。また損害賠償や違約金なども支払う必要はありません。もし、クーリングオフの期間内にお見合いなどの設定を行い、日程が9日目以降であってもお見合いに関するキャンセル料は発生しません。
②クーリング期間を過ぎた後でも途中解約は可能
9日目以降であっても、会員はいつでも途中解約を申し出ることができます。その際に結婚相談所が会員に対して求める違約金(損害賠償・退会手数料と言われることもあります)は以下のような規定があります。
(a)契約はしたが、プロフィールの作成や紹介などを行っていない場合→違約金の額:3万円
(b)それ以外→違約金の額:2万円、または契約残額の20%相当のいずれか低い額
もしもこれ以上の額の違約金が発生する場合は規定以上の金額を払う必要はありません。契約書に違約金は〇〇円と書かれていても、法律で規定された額より高い場合はその文章自体が無効になります。
なお、こちらの金額はあくまで損害賠償や違約金の額であるため、それ以外の費用についてはどの費用がどの程度戻ってくるのかをあらかじめ良く確認しておくことが大切です。前出の日本結婚相談協会では加盟する結婚相談所に対して以下のような指導をしているようです。
(a) 契約はしたが、プロフィールの作成や紹介などを行っていない場合は、登録料以外の金額を返金する
(b) 既に活動をしている場合は、契約期間の残り期間分を返金する
※一般社団法人 日本結婚相談協会(JBA)のHPより
まとめ
無事に成婚しても、婚活がうまくいかなかったとしても、お金に関することでトラブルになることは避けたいですよね。そのためには最初の段階でしっかりとどんな費用がどのくらい戻ってくるのかをきちんと確認するようにしてください。
万が一、トラブルになってしまった場合には国民生活センターや消費生活センターに相談することをおすすめします。途中解約の書類の作成の仕方や、結婚相談所との直接交渉など、いろいろな面でサポートが受けられます。
サンセリテ青山での途中解約について
サンセリテ青山では途中解約について以下のように設定されています。
- 1年の活動期間内で、サンセリテ青山を通して知り合った相手と成婚した場合:返金なし
- サンセリテ青山以外でも活動していて、それ以外の場所で知り合った相手と結婚した場合:返金あり。ただし退会手数料が発生。
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