結婚相談所には、40代・50代そして60代でも「20~30代前半の女性と結婚したい」と望む男性が多く訪れます。年の差婚という言葉が広まったことで、自分も若い女性と結婚できるのでは?と考える人が増えたのかもしれません。しかし、実際には女性は同世代か数歳年上の男性を求めることが多く、成婚に至るのはなかなか難しいと言えます。
今回は40代以降の男性が若い女性と結婚するためにはどうしたらいいかを考えていきます。
年の差婚をする人はどのくらいいるの?
最初に、全ての結婚の中で年の差婚がどのくらいあるのかを見ていきましょう。
初婚夫婦の年齢差
下のグラフは厚生労働省が発表した『人口動態統計(確定値)の概況(2021年)』から、初婚夫婦の年齢差を示したグラフです。見て分かるとおり、最も割合が高いのは夫婦の年齢が同じ(22.4%)です。この傾向はここ20年続いており、全体で見ても年齢差が±3歳のカップルが71.1%と多数を占めていることが分かります。
この傾向は1990年から2000年にかけて顕著となり、全体の半数は男性が年上のパターンですが、「夫婦同年齢」と「妻が年上(24.1)」が残りの半数を分け合っている状態が現在の結婚の姿なのです。
7歳以上年上のカップルの内訳
上の表を見て、「7歳以上年の離れたカップルもかなりいる」と思いますよね。確かにそのとおりなのですが、7歳以上の中には7歳違いから20~30歳違いまですべて含まれていることを忘れてはいけません。
こちらのグラフは国立社会保障・人口問題研究所が5年に1度行っている『出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書』の中から、女性が結婚相手に希望する年齢について示したものです。確かに女性の年齢より男性の年齢が高くなっていますが、全ての年代で自分よりも+5歳程度上を希望していることが分かります。
ちなみに男性はというと、全世代の希望が20代後半から30代前半に集中しています。つまり、40代以降の男性は、女性の希望する年齢が近い男性と競わなければならない、ということになるのです。
年の差婚、実際どのくらいあるの?
では実際に年の差婚と言われる結婚をしているカップルはどのくらいいるのでしょうか。政府や自治体、企業などが公表するデータを分析し、整理しているサイト「統計情報リサーチ」のデータをお借りしてきましたのでご紹介します。なお、このデータは平成27年国勢調査の結果より求めたものになります。
これによると、夫婦の年齢差が10歳以上で、夫が妻より年上のカップルの割合(全夫婦数に対する割合)は以下のようになりました。
ただし、ここでも誤解が生じないように付け加えますが、10~19歳差が3.8%だからと言って19歳差の人も3.8%だとは限りません。20~29歳差になると0.28%(千人に約3人)にぐっと割合が下がりますから、その点も含めて考えてください。
今の未婚女性の思考とは
年の差婚をする時に、考えなければならないのがジェネレーションギャップです。先ほどご紹介した『出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書』の最も新しいデータ(2021年)では、女性の考え方が大きく変わってきていることを取り上げていますのでご紹介しましょう。
結婚しても働き続けたい女性が増加している
女性の意識の変化のひとつが「女性が理想とするライフコース」です。
いままでは、「結婚や出産の際に一度仕事を辞めて、一段落ついたらパートなどで再び働く(再就職コース)」というパターンが多かったのですが、2021年にはついに「結婚しても、子供ができても働き続けたい(両立コース)」女性の割合が最も高くなりました。一方で下がったのは先ほど挙げた「再就職コース」と「専業主婦コース」です。特に再就職コースの減り方は非常に大きくなっています。
正社員とパート・派遣では年収で大きな差が出ますし、携われる仕事の内容も全く異なります。仕事をして稼ぐことが普通という世の中になりつつあると言えるのではないでしょうか。
女性も男性の容姿を考慮する時代に
女性が働き続けることで、相手の男性に求める条件に付いても変化が出ています。このグラフはそれぞれの条件を「重視」または「考慮する」割合を足したものです。女性が仕事を持つようになり、相手の経済力よりも女性の仕事への理解や協力が上回る結果となりました。
そして、ここへきてぐっと高くなっているのが相手の容姿で、女性も男性の顔やスタイルにこだわりを持つようになってきたことが分かります。男性が女性の美醜にこだわってきたように、男性も女性から「カッコいい」「素敵」と思われなければ結婚相手として選ばれなくなってきた、と言えるでしょう。
男性の意識は女性よりも保守的
最後に「結婚・家族に関する未婚者の意識」を見てみましょう。こちらは旧来的な考え方(高い年齢で支持されやすい考え方)と脱旧来的な考え方が、現在の未婚者にどのくらい支持されているかを表したものです。
この中で、脱旧来的と言える設問はグラフの最後の「男性は仕事の成功より家族と過ごす時間が必要だ」の1問だけです。残りは全て旧来的と言える考え方ですが、男女間で大きく差が出ていることが分かります。旧来的な考え方を支持するのは男性が多く、「結婚したら子どもを持つべき」「家庭のための自己犠牲は当然」という項目では特に男女差が大きくなっています。これは、女性が仕事をしながら家事や子育てを一気に引き受ける、いわゆる「ワンオペ」によって女性に大きな負担がかかっていることが分かっているからではないでしょうか。前項のグラフでも「家事・育児の能力や姿勢」「仕事への理解と協力」という条件が高くなっていることからも分かるかと思います。
このグラフは最新のものだけを掲載していますが、前回の2015年と比べて旧来的な考え方は男女ともに支持割合が低下しました。特に「結婚したら子どもを持つべき」は女性では67.4%から36.6%に、男性では75.4%から55.0%へと大きく低下しています。女性で半減に近いというのは興味深い結果ではないでしょうか。
このような意識の差を理解していないと、未婚の女性の心を掴むことは難しいと言えるでしょう。
年の差婚で若い女性と結婚するには
ここまでの話を踏まえて、中高年の男性が若い女性と結婚するにはどうしたらいいかを具体的に考えていきましょう。
外見を磨く
皆さんのライバルは婚活している全ての男性ですので、まずは外見が見劣りするようでは勝ち目がありません。常に髪形やスタイルに気を使い、体形維持に努めましょう。外見からも人生経験豊富なことを感じさせる大人の男という雰囲気が大切です。ここで大切なのは自分が格好いいと思っているのではなく、周りからそう思われるという点です。自分ではイケていると感じても、女性からそう思われていなければ意味がないのです。
イケオジ(イケてるおじさん)という言葉がありますが、年をとっても恰好いいと言われる男性は若い女性からも人気があります。芸能人でいうと、竹野内豊さん(51歳)や西島秀俊さん(51歳)、仲村トオルさん(57歳)といった名前が良く挙がっています。
自分の意見を押し付けない
「女性は男性の意見を聞くべきだ」といった旧来的な考え方を、相手の女性に押し付けるのもNGです。多くの女性が自分の意見を持ち、自分の人生を自分で選びたいと考えるようになった今、相手の話を聞けない男性はそっぽを向かれてしまいます。
結婚したら家に居ろ、子供が小さいうちは母親が一緒にいるべきだといった考え方を、相手も持っているかどうかよく観察し、確認することが大切です。女性が仕事を続けたいと言ったなら、それをサポートする覚悟が必要です。家事や育児に協力的で、かつスキルがあることは大きなアドバンテージになるでしょう。
年が離れていると言うことは、男性が定年した後も女性はバリバリ働いているかもしれないのです。「結婚したらなんでも妻がやってくれる」という考え方を持たない方が賢明です。
若い男性にはない魅力を身に付ける
中高年男性が若い男性より優っているものと言えば、経済力や包容力、経験値などでしょう。こういったものを醸し出せるようなたたずまいを見せられるかどうかが、女性から選ばれるポイントになります。
例えば、経済力があるからと言って、ブランドものをやたらと身に付ければ格好良くなるわけではありません。あくまで上品に振る舞い、知的な会話を楽しめるといった余裕が欲しいものです。
まとめ
芸能人などが「20歳以上も年下の女性と結婚した」というニュースを聞くと、自分もまだまだいけるのではないかと考えてしまいがちです。しかし、お話ししてきたように、20歳以上年下の女性と結婚できる確率は千人に3人です。この3人の中にはその芸能人も含まれていますので、非常に難しいことだとまずは理解する必要があります。
難関大学に入学するためには受験勉強が必要であるように、何の準備もしないで簡単にかなえられるものではありません。20代後半~30代前半の女性は婚活市場で最も需要がある存在です。この年代の女性を相手にするのであれば、自分は選ばれる立場にあると自覚しなければ結婚するのは難しいと理解することが大切です。
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