「結婚するなら高収入男性!」と考えている女性は少なくありません。
でも、「高収入の男性」と聞くと、具体的にいくらぐらいの年収をイメージしますか?
今回は「世の中の男性の年収の分布」や「年収と手取りの額の違い」について考えながら、高収入と呼べる年収額を探っていきます。また、年収によって生活スタイルがどう変わるのかについても検証していますので、ぜひ参考にしてください。
高収入って年収いくらのこと?
婚活中に「高収入の男性」を求める女性は多いですが、実際に「高収入」とは具体的にどれくらいの年収を指すのでしょうか?ここでは、全国平均や年収分布を踏まえて、高収入の目安について解説します。
全国の平均年収はどれくらい?
国税庁が発表した『令和5年分 民間給与実態統計調査』によると、公務員や会社員(パート・アルバイト、役員も含む)全体での男性の平均給与は569万円となっています。これは前年より0.9%増加していますが、同時に物価も上昇しており、多くの人が「給与が上がった」と実感しにくい状況です。
全体の給与分布を見てみると、400万円台の給与を得ている人が最も多く、全体の17.5%を占めています。一方、年収600万円以上を稼ぐ人の割合は約35%であり、さらに年収800万円以上の人は17.2%、年収1,000万円以上になると8.6%にまで絞られます。
年齢ごとの平均年収の違い
企業規模によって、男性の給与(賞与や手当を含む)には大きな差が出ます。一般的に、企業規模が大きいほど収入は高くなる傾向があり、特に資本金が10億円を超える企業では、給与の上がり方が顕著で、若い頃から安定して高い収入を得やすいといえるでしょう。ただし、大企業では、55~59歳の間に役職定年を迎えることが多く、給与はこの時期に減少する傾向にあります。
婚活で男性の収入を考える際には、現在の年収だけでなく、将来的な給与の上がり方やキャリアプランにも目を向けることが重要です。例えば、営業職などはインセンティブが収入に大きく影響するため、本人の能力次第で大きく年収が変わることが考えられます。また、資格取得やスキルアップにより給与が上がることもあり、男性のやる気や向上心も年収の見通しに影響を与える要因となります。
企業の資本金が高いほど年収が高い傾向にありますが、規模が小さい開業医や弁護士などは高収入を得ている場合が数多くあります。
高収入の基準とは?どこから「高い」といえるのか
「高収入」の定義は、人それぞれの生活スタイルや価値観によって異なります。例えば、都心部で暮らす人と地方で暮らす人では、同じ収入額でも感じ方に差が出るでしょう。
一般的に婚活市場や社会全体で「高収入」とされる年収の目安は、800万円以上と言われています。この金額は、物価や生活費を考慮しても、ある程度ゆとりのある生活を送れる水準です。しかし、男性の年収が600万円以上であれば、家族を養う・マイホーム購入・将来の貯金などを考えた場合にある程度の安心感が得られるという女性が多い傾向にあります。
収入が多ければ貯金や投資に回せる金額も増えて将来的な安定感にもつながるため、婚活においては男性の年収が重要視されるのです。ただし、生活スタイルや家族構成によっては、収入が高くても出費がかさんで生活が苦しくなる場合があるので注意が必要です。
年収と手取りの違い
仕事をしている女性ならご存じだと思いますが、給与の全て収入となるわけではありません。また、給与として含まれるもの・含まれないものについてもご紹介していきます。
「手取り」は年収から税金や社会保険料を差し引いた額
多くの人がご存じのように年収と手取りはイコールではありません。
年収とは、1年間に稼いだ給与の総額で、基本給だけでなく、ボーナスや各種手当も含まれます。そして、年収から税金や社会保険料が差し引かれた後に、実際に手元に残る金額が手取りです。
日本では、所得税・住民税・健康保険料・厚生年金保険料などが給与から差し引かれます。年収が高くなるほど、これらの控除額も増えるため、思った¥以上に手取りが少なく感じることも少なくありません。たとえ年収が高い人でも、税金や社会保険料が大きくなると、実際に自由に使えるお金(手取り額)は、想像以上に減少することがあるのです。したがって、年収が高いだけでは生活の豊かさを正確に判断できない場合もあるため、その点を踏まえて考えることが大切です。
給与に含まれる手当にはどのようなものがあるの?
給与には、基本給以外にも企業が支給するさまざまな手当や報酬が含まれます。
インセンティブは歩合給・出来高給・業績手当など様々な名前で呼ばれることがありますが、営業職などで成果に応じて支払われるものをいい、個々の業績次第で年収が大きく変動します。
その他で良くあるのが時間外手当・休日出勤手当・深夜手当です。残業や休日出勤で年収を押し上げている場合もありますが、近年では労働時間に強い制限がかけられたため、サービス残業をしなければならないケースもあるかもしれません。なお、夜勤の場合は深夜帯にかかる部分の給与を割り増しにしなければならないと決まっています。
役職についている場合は役職手当が支払われます。これは毎月決まった金額が上乗せされますが、役職に定年がある場合はこの手当がなくなります。そのため、50代後半頃にガクッと給与が減る可能性も考えておくべきでしょう。
企業が出す手当は、企業が自由に決めて構わないものが多くなっています。役職手当・インセンティブ・家族手当などは会社によっては出ない場合も少なくありません。
国からの手当てや控除は一般的に給与には含まれない
代表的な国からの手当には、児童手当や育児休業給付金などがあります。これらの手当は、子どもの育児や休業中の生活をサポートするためのもので、非課税所得とされており、所得としてカウントされません。また、扶養控除や配偶者控除などの税控除は、家族を養っている人の税負担を軽減するための制度で、これも収入そのものを減らすわけではなく、課税対象となる所得を減らす仕組みです。
これらが年収に含まれない理由は、主にその目的と性質にあります。手当は国が生活支援や育児などの特定の目的で支給するもののため、通常の労働報酬(給与)とは性質が異なります。また、控除は税負担を軽減するためのものであり、年収そのものを変えるものではなく、税金の計算上で反映されるものだからです。 なお、配偶者控除は廃止も検討されています。パートや専業主婦を希望する場合は今後の動きを注視するようにしてください。
どのくらいの年収でどんな生活が送れるのか
最後に年収ごとにどんな生活が送れるのかを簡単にまとめてみました。婚活の条件のひとつである「相手の年収」を考えるうえで参考にしてください。なお、こちらは東京で暮らした場合の目安となっています。
家賃や生活費の考え方
夫婦2人で部屋を借りる場合、広さは最低でも30㎡は必要です。ただし、一人暮らしでも25㎡程度の部屋に住んでいる人は珍しくありませんので、30㎡ではかなり狭いといえるでしょう。一般的には40~45㎡くらいを選ぶ人が多いようです。家賃は手取りの3割を目安にしてください。家賃の占める割合が高くなると生活を圧迫します。
下の図は東京23区の40~45㎡の部屋の家賃の平均を表したものです。中央部は高く、離れるほど安くなりますが、立地・築年数・設備などによって大きく変わりますので、必ずこの目安の範囲に含まれるとは限りません。
生活費に関しては、収入に比例して高くなる傾向があります。生活費は以下のようなものの他に、洋服代や友人と遊びに行ったりする費用も生活費に含まれますので、生活スタイルによってかなり差が出てきます。目安はあくまで目安として考えてください。
- 食料費
- 住居費(家賃)・光熱費・水道費
- 保険・医療費
- 交通費・通信費
- 教育費 など
年収による生活環境の違い
ここでは年収ごとの手取り・家賃・生活費を見ていき、大体どのような生活になるのかを見ていきましょう。なお、これは男性の収入だけで生活する場合ですので、共働きをするのであれば収入を合算して考えてみてください。
年収450万円の場合
年収450万円の男性の場合、手取り額は税金や社会保険料を差し引いて、年間350万円前後、月額で約29万円となります。家賃の目安は9万円程度になりますので、都心部ではこの金額だとかなり心もとない感じですね。夫婦二人の生活費としては毎月10万円~15万円程度です。
二人でも生活していくことは可能ですが、子供が産まれたりすれば生活費などを切り詰めなければならなくなります。妻も働いて二馬力で稼いだ方が安心だといえるでしょう。
年収600万円の場合
年収600万円の場合、税金や社会保険料を差し引いた後の手取り額は約480万円前後で、月額にすると約40万円となります。家賃の目安は12万円前後ですので、中心からやや離れた区部で探すと良いでしょう。生活費は15万円程度がかかると想定されます。
年収600万円は、結婚生活や子育てにおいても一定の余裕を持って生活できる水準です。子供を持つことを考えている場合は、家計管理をしっかり行うといいでしょう。
年収800万円の場合
年収800万円の男性の場合、税金や社会保険料を差し引いた後の手取り額は約620万円前後となり、月額に換算すると約52万円です。家賃の目安は15万円前後で、都内でも中心部に近い部分で家を探すことができるレベルです。生活費は毎月20万円程度かかると考えておきましょう。
婚活で高収入とされる年収800万円は、結婚後に余裕を持って生活できる水準だといえます。家族のための貯蓄や将来への備えがしやすく、ライフイベントに対しても十分に対応できると考えていいでしょう。
年収1000万円の場合
年収1000万円の男性の場合、税金や社会保険料を差し引いた後の手取り額は約750万円前後となり、月額にすると約62万円です。家賃の目安は18万円前後ですが、20万円程度なら問題ないため選択肢は広くなります。生活費は毎月25万円程度です。
年収1000万円は、結婚生活や子育てにおいてかなり余裕を持って暮らせる水準です。過度に浪費をしなければ貯金も十分できます。
年収1500万円の場合
年収1500万円の男性の場合、税金や社会保険料を差し引いた後の手取り額は約1050万円前後となり、月額にすると約87万円です。家賃の目安は26万円前後ですので、都心部でも部屋を借りることが可能です。貯金の額によっては最初から購入することを検討してもいいでしょう。生活費は毎月30万円程度が目安です。
年収1500万円は、非常にゆとりのある生活水準であることは間違いないでしょう。しかし年収1500万円の男性は2%ほどですので、見つけるのは至難の業といえます。
まとめ:年収の高さだけでなく、それ以外の部分にも目を向けて
婚活では男性の年収が大切な要素ですが、年齢が若い男性の場合、現在の収入だけでなく、将来的にどれくらい伸びるかにも注目することが重要です。昇進やキャリアアップに伴って収入が増える可能性があるため、将来の見通しを含めて考えましょう。
収入が高くても「貯金を全くしていない」「出ていくお金が多い」となれば豊かな生活を維持するのは難しくなります。また、自分と相手の金銭感覚が合っているかどうかも大切ですので、その点も良く考えて素敵なお相手を探してくださいね。
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